AIが創造する「新」映像の世紀

　２０世紀に生まれた録画や録音技術は、映画、レコード、テレビなどのメディアを生み出し、人類を大きく発展させましたが、今それ以来の大きな変化が起きようとしています。AI技術は、人間の能力や人体の特徴をそのままコピーすることを可能にし、今まで経験したことのない新しい世界を生みだそうとしています。例えば曲を作ったり、本を書いたり、絵を描くといった人間の能力、また容姿や声、体の動きといった人体の特徴をそのままコピーすることできます。これは今までの録画や録音技術のように単にその瞬間の動きや声をそのまま記録するのとは意味合いがまったく異なります。人間の能力や人体の特徴をコピーし、まるで別の人間を生み出すかように、オリジナルの人間と独立して振る舞い、無限のコンテンツを創造することができるのです。単に人間をコピーするだけには止まりません。コピーは創造の出発点であり、今までに見たことがないような全く新しいコンテンツの創造を可能にします。

　昨今こうした技術がフェイクコンテンツの拡大を産むという懸念が大きく取り沙汰されていますが、将来的にすべてのコンテンツはある意味フェイクになります。例えば、近い将来、もう亡くなった俳優と、現実には存在しないバーチャルの美女、現実に生きているタレントが共演するようなテレビ番組が当たり前になります。しかもその現実に生きているタレントすらもその場で撮影しているわけではなく、編集で好きなセリフを言わせて動かしているだけという世界になってくるので、どれがフェイクでどれがフェイクじゃないかという議論は無意味になります。現実のタレントもキャラクターのようなIPと同じ扱いになり、そうした人間自身がメディアとしてあらゆる情報の発信源となり、より力を発揮する時代がやって来るのかもしれません。

　EmbodyMeはこうした新しい世界のリーディングカンパニーとして、技術、文化を牽引し、人類の未来を創造していきます。

代表取締役社長　吉田一星